繋がる話(65)

シンジはムギから手渡されたレターを受け取った。

 

シンジ「ムギさん、これは何です?」

ムギ「君はこれを持ち続けたまえ。いいかい、破いたり、濡らしたりすると、効果がなくなるよ」

 

シンジは四つ折りのレターを開いたが、それはただのまっさらな紙だった。

 

シンジ「効果って、なんです?」

ムギ「それは持っていれば、わかることだ。今は、言えない」

 

いちいち謎の多いムギの行動にシンジは我慢がならなかった。

 

シンジ「結局、何も教えてくれないんですね」

ムギ「わたしは君に期待をしている。君にしか出来ないことが、この世界には残っている」

 

ムギはそう言うと、シンジから少し距離を取るように後ずさしをした。

 

シンジ「この試合、僕は結果が見えてますけど、続けますか?」

ムギ「途中で棄権することはできないよ」

シンジ「わかりました」

 

シンジは開いたレターをもう一度四つ折りにして、ポケットに閉まい、戦闘態勢に入ろうとしていた。

 

その時、地面からゴォォォーと大きな音が押し寄せてくる感じがした。

 

シンジ「・・・?!」

 

???・???「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

何やら聞き覚えのある2人の声がする。

 

ドゴォォーン!!

 

ムギとシンジの間の地面が大きく割れ、そこからずぶ濡れのイモとタカシが現れた。

 

シンジ「タカシ、お前、生きてたのか?!」

 

ムギは椅子に腰掛けて冷静にその様子を見ていた。