2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

繋がる話(10)

「・・・・・・」 「・・・・・・」 ハモる二人と固まる店員 ハモったことに対する二人の気持ちの悪い息の合い具合に 客観的に見れば笑える場面だろう しかし、店員が固まったのはそこではない 店員「お客様・・・・」 店員「ペペロンチーノをお二つでよろし…

繋がる話(9)

会えばいつも喧嘩をするふたり。絵に描いたような馬の合わないふたりはまた例のごとく口喧嘩をしていた。 店員「何かお決まりでしょうか」 不穏な空気感の中、店員が注文を取りにやってきた。 タカシ「お前、何か決めてんの?」 シンジ「席に着いた時からも…

繋がる話(8)

「・・・例えば?」 話の進まない展開にいつもなるのは百も承知だが、ここまでくると興味より先に少しの苛立ちを覚える 「わかりやすい俺の納得する例えをお願いします。」 飲み干したドリンクからストローをくわえ、上下に振りながらタカシに言った。

繋がる話(7)

タカシは急に席を立った。 何があったのかと聞いてみると、ドリンクを取りに行くとのことだ。 そう、ここは全国チェーンのレストランである。レストランでありながら、ドリンクバイキングが完備されているので、タカシとシンジはよくここにご飯を食べに来て…

繋がる話(6)

最初の段階でうっすらと気づいてはいたが、タカシのよくわからない例えが自分にとってツボにはまる時があるため、詳しい話を求めてしまう。 おそらくタカシは『外見ばかり着飾っていても中身がその価値がないのならば全体の価値はお粗末なもので、そんなもの…

繋がる話(5)

シンジ「つまりどういうことよ?」困惑しきった顔で、タカシに問う。タカシ「だからさ、見かけ倒しで中身が糞なモノを抹消してこうよってことよ。わかる?」タカシは一旦自分の世界に入ると、一人走りをして数分間は周りが見えなくなる癖がある。その時の彼…

繋がる話(4)

シンジはタカシの幼なじみであり、タカシの良きの理解者である。 タカシの行動にいつも付き合い、アドバイス、たまに毒舌を吐く言わばツッコミ的存在である。 突然のタカシの理解不能な発言に新しいオモチャを見つけたかのように半分聞き流すつもりで聞いて…

繋がる話(3)

タカシ「俺さあ、思ったんだよね」シンジ「何を?」タカシ「お肉って皆が好きな食べ物だと思うんだけど、美味しくないお肉ってたまにあって、食べると吐きそうになる味をしたものってあるわけじゃんか。もちろんそういうお肉があってもいいと思うんだけど、…

繋がる話(2)

彼の名前はタカシ 算数の教科書で最多出場を誇っている名前だが、文章とは違い行動に予測がつかない友人である。自分の考えを曲げない男なのだが、たまにいきなり180度裏返してくる。 今度は何をそんなに叫んでいるのだろうか?

繋がる話(1)

「なんだって〜!」 朝陽が上りきった早朝の駅地下で悲鳴に近い声を漏らした。 「教えてくれよぉ〜!」 屈託のない顔を近付けて彼は近寄ってきた。