繋がる話(59)

シンジ「ムギさん。一つ聞いてもいいですか?」

ムギ「ふむ」

 

よくわからないゲームの展開になり、シンジは戸惑った。しかし、戸惑いながらも現状を攻略しようとするのがシンジの持ち味だった。殴り書きをした紙をクシャッと手で丸めて、手をグーにしてムギに問うた。

 

シンジ「このゲーム、降りることは出来るんですか?」

 

ムギは何の動揺もなく、部屋の上部を眺めながら答えた。

 

ムギ「降りることは、可能だよ。でもね、そう簡単に降りれるもんでもないのが現実だ。降りれるもんなら、わたしもここにはいないよ」

 

どこか物哀し気な顔をしたムギは上部を眺めていた顎がスッと降りてきたと思うと、殺気を帯びた目つきを一瞬シンジに対して向けた。

 

ムギ「降りるのも、条件が必要なんだ。そして、その条件を満たしても、認められない場合もある。おかしいだろ?でもそれが現実なんだ」

シンジ「そ、その条件は何なんでしょうか」

 

シンジは持ち味の冷静さ若干欠いて、慌てるように答えを催促した。