繋がる話(63)

ムギ「お前は、一体…」

 

ゲームの仕様をすぐさま理解し、その上、ムギを上回ってくるシンジの能力にムギは震えた。

 

ムギ「君は負けるんだよ。いや、負けなきゃいけないんだ。君は勝ってはいけない」

 

震える足で自分の身体を支えながら、今にも崩れそうなムギはシンジに言う。

 

ムギ「君は何もわかってはいない。ここがどういうところなのか理解すべきなんだ。僕は君より長くここにいる。わかるだろ?」

 

若干の白目と顔面蒼白となっていくムギの顔色は、不思議と、だんだんと老けていくように見えた。

 

シンジ「ムギさん、確かに俺はここに来たばかりで、ここの実情はよくわかってはいない。ただ、負けていい試合なんて俺は聞いたことがない。参加したゲームには勝ちたいと思うのが、普通なんではないのでしょうか」

ムギ「君は、本気なんだね」

シンジ「死ぬのは嫌ですから」

ムギ「そうか。わかった」

 

ムギは口を大きく開いておもいっきり呼吸をして、自分を落ち着かせた。そして、ムギは座り込み、手のひらを地面にかざして、奇怪な言葉を発し始めた。