繋がる話(41)

シンジ「ふむふむ。なるほどね」

タカシから今までのことを聞いたシンジはわりとすんなりと抵抗せず話を飲み込んだ。

タカシ「お前、なんでそんな落ち着いてられるんだよ?」
シンジ「うん、なんでだろうな。不思議と落ち着いて聞いてられんだよな。しかもなんでか今すげえ気持ちがいいんだ」

冷静に話を聞くシンジの様子をタカシは気味がった。なんたって、今いる場所は普通じゃない場所にいるのだから通常の人であれば違和感を感じ、それに恐怖を抱いてもおかしくはない。

シンジ「しかも、俺、1回死んでるんだろ?なんつーか、最強になった気持ちだぜ」
タカシ「まぁ、お前がそう言うんならいいんだけどよ。とりあえず俺がさっき言った約束事理解できたか?」

さっき言った約束事というのは、まずは相手のいいなりになれ、というものである。

シンジ「俺、それにすげえ疑問抱いたんだけど、なんで言いなりになんねーといけないんだよ?従ってたら精神持ってかれちゃうんなら普通逆だろ?」
タカシ「そう、普通はな。普通は抗うんだ。抵抗して、反発するのが常人の自分の守り方だ。だが、俺らはそうはしない。従って、相手の思うような人になりきるんだ。そうしていく間に信頼関係が生まれ、隙が出来る。その瞬間におさらばするって算段なんだよ」

シンジは細長い目を丸くして聞いていた。

シンジ「でもよ、おさらばってどうやって抜け出すんだよ?」
タカシ「それもいいなりになってりゃ自ずと相手の方から教えて貰えるさ」

自信満々に語るタカシをもはや誰も止めることが出来ないでいた。

タカシ「まずは、あの桜って女の素性を探ってみようぜ」