連載小説

繋がる話(66)

ずぶ濡れになっているイモとタカシは自分達でも何が起きたか分かっていなかったシンジ「お前たちがなぜここにこれる?」シンジの質問も理解できていないタカシは首をかしげながらタカシ「いや、イモさんがいきなりバトルじゃー何て言うもんだから負けまいと…

繋がる話(64)

ムギ「ブツブツブツブツ・・・・・」 何を呟いているのが気になるがそれを気にしてはいけない このゲームの本質は飲まれたら負けるんだ それをわかっているシンジは自分の作業をする 今度はランプのついているドアの側に行き、考えた さっきのムギの話 おそ…

繋がる話(63)

ムギ「お前は、一体…」 ゲームの仕様をすぐさま理解し、その上、ムギを上回ってくるシンジの能力にムギは震えた。 ムギ「君は負けるんだよ。いや、負けなきゃいけないんだ。君は勝ってはいけない」 震える足で自分の身体を支えながら、今にも崩れそうなムギ…

繋がる話(62)

違う・・・そういうことではないまだ理解するのは難しいか?言葉にしたくとも発してはいけないムギはシンジを睨んだムギ「・・・このままだとお前が負ける」シンジ「・・・」ムギの言葉を受け流すようにテーブルの回り、イモ達が運んできたであろう石 色々見…

繋がる話(61)

ムギ「やはり、君はおもしろい。」 シンジ「あいつらも同じように今勝負をしているんですよね。なら、僕たちももう少し続けましょう。」 机の上には、古びた茶碗や泥で覆われて茶の色のまな板が無造作に置かれてある。その雑な中に小さめの時計が、まだ止ま…

繋がる話(60)

ムギ「あるときはポイントの受け渡し。またあるときは今後の絶対的服従。またあるときは相手を心から笑わせる。そして・・・・」少し言うのをためらった後シンジを睨みながらムギ「死ぬことだ」髪であまり見えなかった目がハッキリと自分を睨んでいると分か…

繋がる話(59)

シンジ「ムギさん。一つ聞いてもいいですか?」 ムギ「ふむ」 よくわからないゲームの展開になり、シンジは戸惑った。しかし、戸惑いながらも現状を攻略しようとするのがシンジの持ち味だった。殴り書きをした紙をクシャッと手で丸めて、手をグーにしてムギ…

繋がる話(58)

奥の方に入り口とはまた別のドアが現れたポーン・・・・・・そのドアの上には3つの電球があり、そのうち1つに赤いランプが点灯したシンジ「・・・?」ムギ「私の後一勝でおわりだ。シンジよ。考えるんだ」ムギにそう言われるまでもなく、何となくこのゲー…

繋がる話(57)

ムギ「ここまで勘の良いやつに久々に出会ったわい」 ムギは、その場でしゃがみ込み、机の下でバラバラになった光る物体を拾うと、 一つ一つ丁寧に、自分の体全体に染み込ませ始めた。 シンジ「ムギさん?何してるんですか…?」 ムギ「お前さんも黙って、俺と…

繋がる話(56)

シンジ「俺の出番・・・・?」出てきたハンマーのような道具を手にして考えた謎の物体を叩くのか?試しにまとまった謎の塊を叩いてみたぐにゅう~~??当然のごとく粘土のような物体はハンマーの形に凹んですぐに戻ったシンジ「なんだ?何度やってもなにも…

繋がる話(55)

シンジ「ムギさん、俺らは今、何をしてるのでしょうか」シンジは卓上の異様に変色した物体を素手ですこねくり回しながら聞いた。シンジ「ムギさん言いましたよね。君は知恵を使え、って。でも今俺はこの気色の悪い物をただひたすらにクネクネさせてるだけだ…

繋がる話(54)

コッチコッチコッチコッチ 時計の音が鳴り響く・・・・・・ 知恵の部屋に入った二人は真ん中にある丸いエレベーターのようなものを見つめていた シンジ「ここから上がってくるって?」 ムギ「まぁ・・・見てれば分かる」 そういうと次第にエレベーターが動き…

繋がる話(53)

タカシ「まだ掘るんすかぁ〜?」 洞窟の奥のほうからタカシの弱音を吐く声が聞こえてくる。 最初は勢い良く掘っていたタカシだったが、さすがに体力が続かずバテたというところだろう。 イモ「お前、ひ弱じゃな〜」 タカシ「逆にイモさん底なしの体力っすね…

繋がる話(31)

ボコボコボコ…(ここは…)身体に纏わりついて離れないとても重くて身動きが取れない場所、ここは水の中。大きな地響きとともに大量の水が上から降ってきたとこまでは覚えている。(息が出来ない…そりゃそうだよなここは水んなかだ…)タカシは朦朧とする意識…

繋がる話(30)

チッキメン「ナイスタイミングで中入ったのー」 上を覗くと大きいチッキメンが見下ろしていた チッキメン「ほんとなら口から出てくる筈が下から出てきたのは意外やったけど、ここでなら本望やろー汚物どもー」 そういってチッキメンは隣にあったシルバーのレ…

繋がる話(29)

ヒューーーボッチャン!! ボコボコボコ・・・グハッ!! タカシは気付いたら水の中にダイブしていた。 溺れまいと必死で手を前に出し、水面に顔を出した。 ゴホッゴホッ!! 水深どのくらいかわからないが相当深いところに落ちたようだ。 タカシ「こ、ここ…

繋がる話(28)

騒がしく五月蝿いチッキメンの話が正直理解できなかったがとにかくこのモンスターはとある組織に属しているようだ。 いや、属していると言うよりは契約している。 そうなると気になるのはその組織だ。 恐らくあの紙コップから聞こえたロリータ声関係している…

繋がる話(27)

チッキメンは細長いくちばしをパクパクさせながら話し始めた。「あんた、ここがなんで時間がおそうなっとるかわからんやろ。わからんやろうな、ここまでとぼけた顔しとるやつなんか全身毛剃られた野良猫かお前さんくらいだろうからな。ここの時間が遅くなっ…

繋がる話(26)

鳥人間「ここはワイの腹の中や。んで、ここにいる間は時間がゆっくり進んどる」 くちばしで普通には飲めないので特別なほりの深い容器でお茶を飲みながら続けていった 鳥人間「あのままならこの小僧は1時間も持たん。うちらの基地に着く頃にゃお陀仏や。せや…

繋がる話(25)

凄まじい程の異臭がする…。それにしてもここはなんなんだ。シンジがそこにいるということは、鳥人間の腹の中にいるということは間違いないはずだが、何かがおかしい。地面にはカーペットが敷かれていて、その上には赤色のソファーがある。隣には机や本棚、さ…

繋がる話(24)

「くっさ・・・うっ・・・・・」 感情的に行動してしまったが考えてみたら人間一人ペリカンのような口の鳥の中に入れるわけない。 しかし、なんだここは・・・・。 もぐりこんだ先は広く野原のような景色が広がっていた。 あたりを見渡すと倒れているシンジ…

繋がる話(23)

ゴックン。鶏人間はまるで一匹の小魚を食すかのようにシンジを飲み込んだ。タカシはこの光景をすぐさま理解できず、ただ呆然とその場に立ち尽くしてしまった。タカシ「・・・」鳥人間「ったくよぉ。これだから人間は嫌なんだよなぁ」鳥人間は背負っていたリ…

繋がる話(22)

つきとめてやる 何が変わったのか。元々いた平凡な日常から一変したこの世界 何が原因で何が起こったのか この糸の先に何かある そう思ったタカシはシンジを背負ったまま糸の先を追った 鶏人間「ところでそいついつまでそいつ背負ってんねん」 シンジを指差し …

繋がる話(21)

?「ちみたちが立っていたあの場所にはね〜頻繁に”何かが”飛んでくるんだよぉ〜。ちみは何もみんかったの〜?」何も見なかった、というよりも何もわからなかった。明らかに違っているところはあった。お店でロボットが売られているところなんて、見ていれば…

繋がる話(20)

タカシ「・・・・・・」 ピクリとも動かないシンジを背負いながら二人の会話を聞いているがこいつらの言うとおりにしていいのか? そんな不安がよぎるが、今はこれしか手段がないのも確かである。 しかしいちいちツッコみたくなる会話ばかりだ。 鶏っていう…

繋がる話(19)

姿を見せない、声が高いという情報のみの女は、糸電話の先から何かを発している。?「命は〜大事だよぉ〜。見捨ててよい命なんてこの世にはないんだよぉ〜」女神なのか、はたまた死神なのか。それは定かではないが、”悪者”ではなさそうだ。?「お〜い。鶏ぉ…

繋がる話(18)

タカシ「お前は誰だ?」 鶏「そいつ死んだのか?」 こちらの質問には返す気がないのか一方的に同じことを聞いてくる 鶏「そいつ死んだのか?」 何度も言ってくる鳥人間に怒りが込み上げてくる 息もしていない。 心臓の音もしない。 冷えていく体。 聞かれな…

繋がる話(17)

タカシはシンジに寄り添った。タカシ「おぉい、、シンジぃ、、」シンジはぴくりとも動かない。口元に手を当ててみても吐く息が当たらない。タカシは耐え切れずその場で泣き崩れた。シンジの頬に自分の頬を当て、その冷たい温度を優しく味わった。これがもう…

繋がる話(16)

衝撃だった。 自分では気づかないが、真っ赤に充血した瞳 「・・・え?」 その瞬間シンジが崩れ落ちるかのように倒れた。 タカシ「お、おい!」 突然の出来事で何が起こったのか分からなかった。 ここはどこなんだ。そしてシンジはどうしたのか。 あたりを見…

繋がる話(15)

外へ出た彼らはまず自分の目を疑った。それは当然、入る前の景色とまるっきり違ったからだ。違うというのは語弊がある。似ているのだけど、部分的に異なっているのだ。まず目についたのは目の前のレストランの風貌だ。入る前だと普通のどこにでもあるような…