繋がる話(9)

会えばいつも喧嘩をするふたり。絵に描いたような馬の合わないふたりはまた例のごとく口喧嘩をしていた。

 
店員「何かお決まりでしょうか」
 
不穏な空気感の中、店員が注文を取りにやってきた。
 
タカシ「お前、何か決めてんの?」
シンジ「席に着いた時からもう決まっとるわ」
タカシ「じゃあ、注文せいや」
シンジ「お前待ちだったんだよ」
タカシ「決まってる雰囲気くらい醸し出しとけや」
シンジ「なんだよ、決まってる雰囲気って」
タカシ「食べたいもん決まってんなら、口に出して言えってことだよ。あー肉くいてぇなぁーとか言えば、こいつ肉喰いてえんだなってこっちもわかんだろうが」
シンジ「別にお前と食べたいものを共有するつもりねぇもん」
タカシ「共有するつもりもなにも、段取りの把握するのに必要だって言ってんだよ」
シンジ「段取りの把握もなにも」
 
店員「何かお決まりですか!?」
 
シンジが何か言い返そうとしたとき店員が注文を催促してきた。延々に続くやり取りに業を煮やしたのだろう。そこで、俺らは注文を頼んだ。
 
タカシ・シンジ「ベベロンチーノひとつ!」