繋がる話(49)

イモ「お前、タカシってんだ!どっかの参考書に使われてそうな名前だな!」
タカシ「あんたこそ、食ったら屁こきたくなるような名前だよな!」

イモとタカシは通ずるところがあるらしく、初対面にも関わらず意気投合して2人で何が面白いのかわからないことを馬鹿笑いして楽しんでいた。

イモ&タカシ「あっはははは!!うひゃははははひゃひゃ!!」

楽観的な2人が前方で肩を組みながら歩いている背後には、ムギとシンジがこれまた薄暗い顔をしながら話をしていた。

シンジ「ムギさん、あんたは何か知ってそうだな」
ムギ「お前さんも知ることが可能な内容は、ある程度気付いているみたいだね」

前方には桜、その後ろに馬鹿丸出しのイモとタカシが並んで歩いている。その後ろに、ムギとシンジがついていく。

桜「もうすぐ付くから、イモとムギはこの”新規商品”にいろいろと教えてやってあげな」
イモ「めんどくせーなぁ。。」
桜「あんた、今日のお風呂は70℃以下だからね。覚えときな」
イモ「さ、さくらさん〜ウソですよおいらに任せてくださいよ!」

銀色の鉄柱で囲まれたエレベーターらしき箱の前までつれてこられ、大きなボタンを桜は押した。そのボタンはオレンジ色に点滅し、すさまじい音をだしてざっと200人程度の人が同時に入れるくらいの大きさの箱が目の前に降りてきた。

桜「さあ、乗った乗った」

桜を合わせて合計5名で200人収容可能な箱に乗り込んだ。

ムギ「シンジとやら。この箱が上の階に着いたら、三択の扉を選ばされることになる。これは定例だ。いつも変わるんだ。ただ、いいかい。君は右から数えて二番目、つまり真ん中を選択しなさい。いいかい、真ん中だよ」

茶色い帽子をかぶったムギはシンジに耳元でささやくと、胸ポケットから黒いグラスのメガネを取り出して掛けると、それっきり黙り込んだ。