繋がる話(25)

凄まじい程の異臭がする…。
それにしてもここはなんなんだ。

シンジがそこにいるということは、
鳥人間の腹の中にいるということは間違いないはずだが、何かがおかしい。

地面にはカーペットが敷かれていて、その上には赤色のソファーがある。隣には机や本棚、さらに言えば加湿器もある。まるで誰かが住んでいるかのような”部屋”になっているのだ。

小さいの鳥人間は、奥の方にある冷蔵庫からジュースを持ってきて、飲めよと自分に差し出してくれた。

タカシ「こ、ここは、どこなんですか…?」

さっきまでの憤りを忘れ、この異世界に対しての動揺を隠せず、つい敬語になってしまう。

鳥人間「せやから、わいの腹ん中やろ。自分で勝手に入ってきといてよぉ言うわほんま」

こいつが言うのだから間違いなく腹の中なのだろうが、自分の目の前に広がる光景は明らかに部屋だ。誰か知らない人の家にあがった気分以外に表現が出来ない。

鳥人間「まあ、来たんやからしゃーないわ。まあ座れや」

おそるおそるカーペットを歩いて、赤いソファーの端の方に座った。赤色はとても鮮やかで、人間界では見たこともない美しい朱色をしていた。

タカシ「・・・あの、シンジのことなんですが・・・」
鳥人間「あぁ、こいつか?こいつならまだ生きてんで。というか、正確に言うんやったら”死んでるけど、生きてる”ていうたほうがええんかな」
タカシ「ど、どういうことですか・・・?」

全く理解できないことを平気な顔をして、しかも真面目なトーンで言ってくる。
タカシは納得するために質問攻めをする。