繋がる話(27)

チッキメンは細長いくちばしをパクパクさせながら話し始めた。

「あんた、ここがなんで時間がおそうなっとるかわからんやろ。わからんやろうな、ここまでとぼけた顔しとるやつなんか全身毛剃られた野良猫かお前さんくらいだろうからな。ここの時間が遅くなってる仕組みはな、簡単な話や、ここがウンコ直前の場所だからや」

そういいながらチッキメンは奥の方にある紙袋を持ってきた。

「この紙袋にはな、ありとあらゆる残飯がはいっとる。そりゃ食べ残しなんかもありゃ鼻くそまで幅広くや。一ついうとくと、これはウンコやないで。あくまで残飯や。んでな、奥の方みてみ。光はなっとるとこあるやろ?」

タカシはぐいっと目を見拡げ光を探す。

「あの光んなかに残飯を投げ捨てると、ウンコになるっちゅう仕組みなんやけど、そこがポイントなんや。」

タカシはさっきからチッキメンが言うウンコという響きが身体に合わず、猛烈に吐き気をもよおしている。その傍ら楽しげに話すチッキメンに面目なく簡単に吐くことすら出来ず、青ざめた顔をしたタカシは無言で頷く。

「残飯を処理しとる間に身体は強烈なパワーを使っとるんや、そこがわいが見つけた穴なんや!”あいつら”がパワーをつこうてる間はこっちの空間はいわば無法地帯なんや!イリーガルや!そこに目を付けたわいは、とある組織を結託したんや。その結果がこれや!わかるやろ、おれの有能さをよ!!コーケコケコケコケ!!」

最初の落ち着いたチッキメンはそこにはいなかった。愚かさや惨めさや傲慢さを凝縮して、形にした物体がそこには在った。タカシは目の前の物体からなるべく遠ざかるために、チッキメンが驕り高ぶっているうちにいそいそとソファーの下に隠れた。

タカシ「やべえ。やべえよここ。。」

ソファーの隙間から見えるのは、シンジの横たわる姿だった。チッキメンはまだ自分の有能さにまるで鶏が鳴くかのごとく笑っていた。