繋がる話(53)

タカシ「まだ掘るんすかぁ〜?」

 

洞窟の奥のほうからタカシの弱音を吐く声が聞こえてくる。

最初は勢い良く掘っていたタカシだったが、さすがに体力が続かずバテたというところだろう。

 

イモ「お前、ひ弱じゃな〜」

タカシ「逆にイモさん底なしの体力っすね〜!ありえないっすよ!」

 

タカシが岩を椅子に見立てて座って休んでいる間にも、イモはひたすらに穴を掘っていく。

 

タカシ「イモさん、聞いてもいいですかねー?」

イモ「どしたよ?」

タカシ「最初に言ってたじゃないすか、土を水に投げ込んで綺麗な物質を手に入れるんだって」

イモ「うむ」

タカシ「あれって、集めるとくっついたりするんですか?」

イモ「どうしてそんなこと聞くんだ?」

タカシ「いや、なんかどこかで見た覚えがあるんですよね…」

 

タカシは、何か頭に引っ掛かったものを穿り出すようにスコップで土をいじり答えた。

 

イモ「ほぅ。それはどこで見たんだね?」

タカシ「どこでしょう。よくは覚えてはいないんですが、食卓に並んでいたものような感触だけはこの手が覚えているんです…」

 

イモはどこか気まずそうな感じで、タカシには背中を向け、正面を向くことなしに穴を掘り続けた。