繋がる話(51)

タカシ「イモさぁん…モゴモゴ…いつまで…モゴモゴ…こうしてりゃいいんすか?!」
イモ「モゴモゴ…タカシとやら…モゴモゴ…もう少しの辛抱…だ…モゴモゴ…ゴホッ」
タカシ「イモさん!…モゴモゴ…大丈夫っすか!!」
イモ「おお…ありがとう…モゴモゴ…意識失うとこだったで…モゴモゴ」

青の扉に入ったタカシとイモは、部屋いっぱいの大量の水に浮いて水平を保っていた。部屋の窓らしきところからはなお勢いよく水が流れ出ている。そして、溺れかけようとしながら2人は手を取り合って水が引くのを待っていた。

流れとしてはこうである。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

青の扉に入って、目の前の上に続く階段をイモを先頭にして登っていた。タカシはRPGのようなシチュエーションに興奮する身体を制御することは出来ず、スキップしながら階段を登っていた。

イモ「タカシとやら、なにやらとても楽しそうではないか」
タカシ「そりゃ楽しいですよ!ダンジョンみたいじゃないですか!RPGの主人公になった気分ですよ!これから悪代官でも倒しにいくんすか!?俺めっちゃ強いですよ!」
イモ「まぁまぁ、そうはしゃぐではないよ。この辺は足元が見えづらいし棘や岩の出っ張りがあるからよく見て歩くんだよ」
タカシ「俺はガキじゃないんすよ!今までの人生で骨折だってしたことないんすから!」
イモ「ほう、それは頼もしいな!」

息の合う2人はまるでパーティー会場へ向かうかのような振る舞いで階段を登っていた。

タカシ「怪獣だって〜♪悪魔だって〜♪親父だって〜♪なんでもかかって来やがれ〜♪」
イモ「俺らは〜♪最強〜♪骨折だって一度もないのさ〜♪」
タカシ「骨折は俺のっすよ〜!」
イモ「ははは!そうだったな!」
タカシ・イモ「ははははははは!」

タカシの脳天気さにイモも釣られていた。

イモ「タカシとやら、そこの階段は三段重ねで間に大きな穴があるから気をつけるんだよ〜!」
タカシ「わかってますとも〜♪俺を誰だと思ってるんすか〜!骨折だってしたk」

グキッ

一段目でつまづいたタカシはいわんこっちゃなく大きな穴に吸い込まれるようにして入っていき、手をつないでいたイモも道連れで大きな暗い穴に落ちていった。


で、水いっぱいの部屋の堕ちて、溺れかけているということだ。







繋がる話(50)

ガコンッ

エレベーターの動きが止まりドアが開くと目の前に3つの大きな扉があった
左から順に青色、黄色、赤色と染められた扉があり

タカシ「何かまるで信号機みたいだな」

各種扉の前に立っていると後ろから

桜「ほら!早く入りな!どれでもいいよ!」

ムギの話だと真ん中は黄色の扉だ

タカシ「どれでもいいなら何か青色がマシそうだよな~~」

迷っていると後ろからイモが

イモ「おお!タカシとやら!ワシと同じ道がいいみたいだな!よし!おしえちゃるからいくぞ!」

シンジ「あっ!まて!!」

シンジが止める前に勢いよくイモはタカシの手を引いて左の青の扉に入ってしまった

シンジ「くそっ!バカが!」

そういってタカシを追いかけようと青の扉に手をかけると後ろからムギが強く腕を掴んだ

シンジ「?!」

ムギ「・・・・・」

全く言葉を発しないムギはそのまま無理矢理真ん中の黄色い扉にシンジと共に入った
中にはいると長い階段が姿を現し無言でムギは上っていく

シンジ「なぜこっちにつれてきた!」

珍しく声を荒げ無言のムギを殴った。
初めて殴ったのか震える手を見ながらムギが小声で呟いた。

ムギ「あいつ・・・らは青色がよかったお前は黄色の方がいい。」

何言っているのか分からなかったが続けてムギは言った

ムギ「人には適材適所がある。イモとお前の連れは青の肉体の部屋。お前は俺と似ていると思った。だから黄色の知恵の部屋に入れといったのだ。それがここで生き延びる最善策なのだ。ここでは3つの行程を部屋別でやらされる。それぞれの部屋に適合できないやつは・・・」

その先の言葉をムギは発しなかったが、分かるには時間がかからなかった

ムギ「行くぞ。隣のよしみだ。あいつらら仕事が終わればまた部屋で会える・・・・生きていたらな。お互いが」

そういってズボンを叩きながら階段を上っていった

シンジ「・・・すまない。」

小さく会釈をすると先行くムギの後を追った

繋がる話(49)

イモ「お前、タカシってんだ!どっかの参考書に使われてそうな名前だな!」
タカシ「あんたこそ、食ったら屁こきたくなるような名前だよな!」

イモとタカシは通ずるところがあるらしく、初対面にも関わらず意気投合して2人で何が面白いのかわからないことを馬鹿笑いして楽しんでいた。

イモ&タカシ「あっはははは!!うひゃははははひゃひゃ!!」

楽観的な2人が前方で肩を組みながら歩いている背後には、ムギとシンジがこれまた薄暗い顔をしながら話をしていた。

シンジ「ムギさん、あんたは何か知ってそうだな」
ムギ「お前さんも知ることが可能な内容は、ある程度気付いているみたいだね」

前方には桜、その後ろに馬鹿丸出しのイモとタカシが並んで歩いている。その後ろに、ムギとシンジがついていく。

桜「もうすぐ付くから、イモとムギはこの”新規商品”にいろいろと教えてやってあげな」
イモ「めんどくせーなぁ。。」
桜「あんた、今日のお風呂は70℃以下だからね。覚えときな」
イモ「さ、さくらさん〜ウソですよおいらに任せてくださいよ!」

銀色の鉄柱で囲まれたエレベーターらしき箱の前までつれてこられ、大きなボタンを桜は押した。そのボタンはオレンジ色に点滅し、すさまじい音をだしてざっと200人程度の人が同時に入れるくらいの大きさの箱が目の前に降りてきた。

桜「さあ、乗った乗った」

桜を合わせて合計5名で200人収容可能な箱に乗り込んだ。

ムギ「シンジとやら。この箱が上の階に着いたら、三択の扉を選ばされることになる。これは定例だ。いつも変わるんだ。ただ、いいかい。君は右から数えて二番目、つまり真ん中を選択しなさい。いいかい、真ん中だよ」

茶色い帽子をかぶったムギはシンジに耳元でささやくと、胸ポケットから黒いグラスのメガネを取り出して掛けると、それっきり黙り込んだ。

繋がる話(48)

???「さっきから騒がしいなぁ」

??「大方、新しい労働者志望のやつでも捕まったんだろ」

???「あぁ、新たな働き口探しに来た犠牲者ってやつか」

??「隣の空き部屋で騒いでるし、桜の声も聞こえる。もしかしたら捕まった方じゃないか?」

???「ああ、レアな労働者・・・というより人柱?そんなレアなやつがそうそうこないだろお~~」

二人の会話を遮るかのようにドアの音がなる

???「・・・?どうぞー」

ゆっくりとドアが開かれると眉毛ハの字にした顔の男とすました顔の男がそっと入ってきた

タカシ「あ、すいません、何か騒がしくってすいません。さっき隣に連れてこられたタケシともうします・・・」

いつもの元気などチッキメンの中に置いてきたのか、かなりの下手に出ながら自己紹介をした

シンジ「・・・・シンジっす」

相変わらずの無言を貫いている男

???「おう。俺はイモ。こいつはムギ。桜のねーちゃんなんて滅多にこねぇから新人が来たと思ったよ」

ムギ「・・・ども」

よく話すイモとクールなムギ

どこか自分達と似ている所が妙に親近感が沸く

タカシ「あのー、これから俺たちは何をやらされるんですかね?何か適当にここに連れてこられて支度しろだのなんだの。外で待ってるだの言われたんですけど」

イモ「お前何も知らないのか?まさな本当に捕縛者なのか?」

捕縛者・・・?

言い方から察するに珍しいようだ

桜「いつまで話してるんだい!?さっさとしないと罰くらうよ!!」

話の途中て遮った桜が労働場所に行くよう促す

ムギ「・・・・お前達はここにいては行けない。逃げろ」

ボソッとムギがシンジに呟いた

繋がる話(47)

ぎいいいい。

桜がドアを開いた瞬間、真っ白な煙が部屋から脱出するかのように外へと流れでて、タカシとシンジの顔面にあたり通り抜けた。

「ゴホゴホッ!!」

部屋はまだ白い煙が残っており、壁は全面黄ばんだ色がこびりついていた。

桜「さあ、あんたらの下宿先だよ。とっとと支度しな」
タカシ「し、支度って何の?」
桜「決まってるじゃないの。仕事だよ、仕事」
タカシ「俺らも仕事するんですか!?」
桜「当たり前だよ。何を甘ったれたこと言ってるのさ。ここで生きていくには身を削って働くのさ。ご飯が食べたきゃ自分で取りに行くんだよ。わかったかい?それが出来なきゃ今日の晩御飯は抜きだよ!」
シンジ「おい。タカシ、早く着替えろ」
タカシ「し、しんじ〜〜!」

シンジは素早くベッドの上にある灰色のオーバーオールを身に纏った。よっぽど今日の晩御飯を取り上げられたくなかったんだろう。タカシもシンジの後に続いて仕事着を纏った。

桜「私は外で待ってるからね。準備が整ったら隣の家の人にでも挨拶周りでもいっときな」

がたん。

桜は扉を閉めた。内側からでもガラス越しに桜がどこかへ行くのが見て分かった。

シンジ「お前なんで桜にアピールしなかったんだよ」

シンジはわりと強めの口調でタカシに問いかけた。

タカシ「いつのタイミングでアピールするんだよ!」
シンジ「さっきもいいタイミングあったろ。『ひとりじゃ着れないから着させて下さい』とかいっとけよ」
タカシ「お前・・・馬鹿にしてんのか」
シンジ「それぐらいやれってことよ」

ふたりは痴話喧嘩っぽくじゃれ合いながら、彼らも扉をあけて桜の言う通り隣のうちの前まで行ってドアをノックした。

繋がる話(46)

背も高く、スレンダーと言うわけではないが強調すべき部分はしっかりと出ていて漂う妖艶さは後ろからでも伝わってくる

美熟女というのがここまで相応しい人もいない

しかし

タカシ「タイプではないんだよなぁ・・・ボソッ」

桜「何か言ったかい?」

地獄耳か

そう思った瞬間にふと思った

タカシ「あの、桜さん、ここにいるお偉いさんたち含めて、俺たち人間はいるんですか?桜さんも含めて」

尋ねた瞬間に後悔をした

もしかしたら落とす(予定の)女が人間じゃないかもしれない

そして、自分達が使われる相手が人間ではなかいかもしれない

そう考えていた矢先に桜が近づいてきてニヤっと笑って

桜「どうでしょう?」

その悪い顔した笑みは一段と妖艶さを醸し出していた

桜「もっとあたしと仲良くなったら教えてやるよ。
ほらここだ着いたよ」

そういって案内された古ぼけた部屋のドアをゆっくりと桜は開けた

繋がる話(45)

桜「あんたたち、今日からあんたらが宿泊する場所とその付近に住んでる”仲間”を紹介するからあたしについてきな」


俺らが2人で会話しているのが気に食わなかったらしく桜が背後からふっと姿を表した。何も気配を感じることのできなかった不気味さにシンジとタカシは背筋がぞっとなった。

シンジ「・・・た、たのんだぞ」

シンジはさっきの自信有りげな態度とはうってかわり、急に弱気な声色をしながら、タカシの背中をぽんっと叩いた。

タカシ「お、おい〜」
桜「なにやってんのよ!早く付いてきなさいよ」

ヒソヒソ話が聞こえたとは思えないが、桜の態度は相変わらずサディスティックだ。タカシは桜の後を追いながら、どうやって口説くかを桜の美熟女にも関わらず肌の露出の多い背中をヒントにしてその攻略法を考え込んでいた。

繋がる話(番外編~登場人物紹介~)

タカシ
⇒主人公①、年齢不詳
元気の良い、話の流れ的にはボケ担当。どちらかと言えば感情で動くタイプ

シンジ
⇒主人公②、年齢不詳
冷静で物事を考えるタイプ。話の流れて的にはツッコミ担当。どちらかと言えば論理的に動くタイプ

チッキメン
⇒ガーディアン、ガーディアンの中では最高位。どうやら参謀長官の側近らしい

???
⇒参謀長官。まだ正体不明。ロリ声

ジントニック
⇒お酒の名前・・・ではなく人間たちをまとめているちょっとランクの低いガーディアン
「ジンさん」と呼ばれると喜ぶ


ジントニックらを管理しているちょっと上のランクの管理職


参謀長官>チッキメン > 桜 > ジントニック > 俺たち

簡単な身分階級

繋がる話(43)

タカシ「チッキメンの食事会に俺らも参加する…だと?!」

タカシはシンジの恐れ多い発言に腰を抜かした。

確かに上層部の中で現状に対して否定的な輩も数人はいるだろう。そいつらを見つけ出して結託をすればここからの抜け道も聞き出せるかもしれない。そのキッカケとして上層部の夕飯に紛れ込むという発想は正しい。だが、そうはいえどチッキメンの食事会は恐らくこの世界で選びぬかれた人たちでしか参加条件は満たないだろう。タカシはシンジの発言をもう少し深く問うた。

タカシ「確かに、手っ取り早く逃げ道を知る手段としてはいいかもしれない。だけど、どうやって紛れ込むつもりだ?お前は見てないのかもしれないけど、チッキメンに近付いた商売人がガーディアンにぶち殺されてたんだぞ?そう簡単に行くとは到底思えないんだが」

タカシは声を震わしながら、まるでお腹を空かせた猛獣の前にいるかのような顔をこっちに向けた。

シンジ「そうだろうな、普通に忍び込んだらそりゃ生きては帰れね−と思うぜ」
タカシ「じゃあ、どうやって…」
シンジ「桜だよ」
タカシ「さ、桜?」
シンジ「あの女を利用するんだ」

シンジは、水をかけても消えそうにないくらい眼をギラつかせながら、まるで人を切るのを楽しんでいる悪党の形相をした。

シンジ「まずは、惚れさすんだ」

繋がる話(42)

シンジ「タカシ。まずこの状況どうやって把握する?」

あの桜という女はさっきのやり取りから察するにそこそこ上のランクだ

位置だけで言えば・・・・・


チッキメン > 桜 > ジントニック > 俺たち


今知っている登場人物ではこのくらいだろう。

それに加えてあの萌声の女がチッキメンより上なのだろう。

まずはこの場所の状況の把握が最優先だろう。

この場所がなにを目的として存在しているのか。何を生産しようとしているのか。

それを知ってチャンスを窺わなければならない。

そして桜は他のやつらとは少し違った印象がある。

洗脳というより流れを理解しているように見える。

シンジ「まぁ・・・・・・こんなところだ。」

相変わらずツッコミ担当のシンジの冷静さはハンパない。

とりあえずその場しのぎを考えていた自分としては頼りになる。

シンジ「つまり、洗脳の連中には状況の把握だけして、桜とかいうあの女を何とかこっち側に引き込めねえかな?多分だけど、洗脳されていない奴はそこそこランクが高く、かつ自己判断ができる。」

タカシ「つまり?」

シンジ「自己判断ができる奴らの中にはもしかしたらこの生産工場のような状況を良しと思っていない奴がいるかもしれない。そいつを手駒にできれば抜け出せるかもしれない」

シンジはニヤリと笑った。

繋がる話(41)

シンジ「ふむふむ。なるほどね」

タカシから今までのことを聞いたシンジはわりとすんなりと抵抗せず話を飲み込んだ。

タカシ「お前、なんでそんな落ち着いてられるんだよ?」
シンジ「うん、なんでだろうな。不思議と落ち着いて聞いてられんだよな。しかもなんでか今すげえ気持ちがいいんだ」

冷静に話を聞くシンジの様子をタカシは気味がった。なんたって、今いる場所は普通じゃない場所にいるのだから通常の人であれば違和感を感じ、それに恐怖を抱いてもおかしくはない。

シンジ「しかも、俺、1回死んでるんだろ?なんつーか、最強になった気持ちだぜ」
タカシ「まぁ、お前がそう言うんならいいんだけどよ。とりあえず俺がさっき言った約束事理解できたか?」

さっき言った約束事というのは、まずは相手のいいなりになれ、というものである。

シンジ「俺、それにすげえ疑問抱いたんだけど、なんで言いなりになんねーといけないんだよ?従ってたら精神持ってかれちゃうんなら普通逆だろ?」
タカシ「そう、普通はな。普通は抗うんだ。抵抗して、反発するのが常人の自分の守り方だ。だが、俺らはそうはしない。従って、相手の思うような人になりきるんだ。そうしていく間に信頼関係が生まれ、隙が出来る。その瞬間におさらばするって算段なんだよ」

シンジは細長い目を丸くして聞いていた。

シンジ「でもよ、おさらばってどうやって抜け出すんだよ?」
タカシ「それもいいなりになってりゃ自ずと相手の方から教えて貰えるさ」

自信満々に語るタカシをもはや誰も止めることが出来ないでいた。

タカシ「まずは、あの桜って女の素性を探ってみようぜ」

繋がる話(40)


何が起きているのか

ファミレスで話していた以降記憶が飛び飛びで覚えていない

いいなり?

心を奪われる?

何もわからないがとりあえずタカシの言うことを聞くしかない

シンジ「言うことを聞いたらダメなんじゃないか?」

ふと疑問に思ったタカシは
ポカーン

シンジ「心奪われるのに言うことを聞くのか?
もしかしてお前も恐怖ですでにおかしくなってないか?」

焦るタケシをみていると冷静になるシンジがいた

とりあえず今はタカシから今までの事を聞いてみよう。

繋がる話(39)

シンジ「ここは…!」

夢か現か捉えきれていないシンジはキョロキョロと周りを見渡した。彼は、自分が一旦死んだということすらも覚えていない様子で、ただ寝顔に水を掛けられて起こされた不満気な顔をしていた。

タカシ「とりあえずな、よく聞けよ」

タカシは深刻な顔をして小声で放った。

タカシ「俺らは今まじやばい状態だ。従ってたら多分、心が奪われちまう」

シンジはポカンとした間抜けな顔をこっちに向けている。

タカシ「いいか、今から言うことを絶対忘れるなよ。まずは相手の言いなりになれ。いつ何時でも相手の言うことを聞け。どんなことがあってもだ。わかったな?」

シンジは目の前のわけのわからない男に不信感を抱きながら、首を縦に振った。

繋がる話(38)

朝のファミレスの一見から分からないことだらけだったが、さすがに慣れてきた

そう・・・思ってた

慣れるわけがない

ここで働かされるために連れてこられたのか?

奴隷のためか?

しかしあの女の声
つれてこられた雰囲気からどうしてもそう思えなかった

今は気絶しているが少なくともシンジを生き返らせたこと

あのチッキメンはここを守るガーディアンであること

色々な憶測が及ぶが、1つだけ事実がある

俺とシンジは

働くのが大嫌いなニートである。

いかに逃げ切りここから逃げるか考えなくてはならない

そのためには早くシンジを起こさねば

そう思い、瓶に入った水をシンジにぶちまけた

シンジ「∵ヮΦ∝≫≒Δ∝ヮ∝!!!」

あ・・・・・・起きた

繋がる話(37)

タカシ「身分の高い…はじめての…?」
桜「そうよ、歴代のガーディアンが知ったら驚くでしょうね」

桜は道ある落ち葉を拾うと、ふぅっと息を吹きかけて遠くに飛ばした。

タカシ「桜さん、正直に言いますね。僕ここで働いてたことなんてないんです。あの時は怖かったからとっさに言ってしまったんですけど、ここで労働してたなんて見に覚えは本当にないんです」
桜「そんなこと、知ってたわよ」
タカシ「え…?どういうことですか?」
桜「あのね、後でわかると思うんだけど、ここの人たちはみんな見に覚えがないまま労働者として受け入れて働いているの。なんでだかわかる?」
タカシ「なぜって…何かが裏で動いているからですか?」
桜「噂でしかないんだけどね。私も人づてで聞いたこと。要するに私にだって、知らないことがあるってことよ」

その後は、お互いにこれ以上関与しないようにと、ある程度の距離を保って黙々と甕から水をすくい続けた。

タカシ「すいません。もう水がありません」
桜「そ。今日のところはこんなもんね。しばらく置いておけばまた溜まるわ」

そう言うと、ふたりは段の上にある複数甕を背にして、もと来た道を戻っていく。
背中から聞いたこともない低音のノイズが鳴り響いていた。