繋がる話(36)
桜と呼ばれる女はタカシを奥にある倉庫へ案内した
中を見てみると無数の大きめな甕が置いてある。
桜「これ持っていきなー」
手前にあった甕の蓋をあけ、ひしゃくで液体をすくうとコップに注いだ
タカシ「これは・・・?」
桜「はぁ?地下水に決まってるじゃないの~。ここら辺じゃあもう水なんて外部からは取れないじゃない~」
どういうことだ。
水が枯渇している?
桜「ほら!早く持っていった持っていった!さっさと起こしてあのひょろいやつも働かせな!」
タカシ「あ、あの・・・」
タカシは恐る恐る聞いた
タカシ「自分まだ新人なのでよくわかるてってないんですけど、その・・・チッキメンさんってどんな人なんですか?」
桜「参謀長官」
タカシ「え?参謀長か・・・」
桜「の側近のガーディアンよ。身分の高い初めてのガーディアン」
ガーディアン・・・?
繋がる話(35)
ずしん。
繋がる話(34)
話が全然見えてこない
いや、話が繋がらない
働く?
金やら身分やら
こいつらは何を言っているんだ?
先程のチッキメンとは声は似てども姿形は全く違う
「お、おいチッキメン?」
チッキメン声だけそっくりなおっちゃんら眉間にシワを寄せながら近づいてきた
おっさん「誰がチッキメンさんや」
唾を汚ならしく飛ばしながらマシンガンんの如く続けて言葉を浴びせてきた
おっさん「ええか、何を勘違いしてるか知らんがな?チッキメンさん程の人に会えるなんな思ったら甚だしい身分やでそもそも・・・・」
言い方といいマシンガンと言いチッキメンに似ているのだが・・・・別人のようだ
ただ、1つ言えることはチッキメンはコイツらよりも高い身分であって、あの糸電話の女は更に上ということになる
そしてこいつらは誰と勘違いしてるのか、ここで僕らは働いている事になっている
タカシ「な、なぁおっちゃん」
おっちゃんの言葉に反応したのか声を荒げてタカシを背負い投げした
「いい加減ジンさんことジントニックさんの名前を覚えやがれぇぇぇぇぇぇぇぇ」
繋がる話(33)
「なにしとったんや。自分の仕事ほろり出してから。はよ持ち場に戻れや。」
おっちゃんは、片手に持ってるメガホンを使って僕たちに言う。周囲は機械の音が響き渡り、とても騒々しい。目に見える机の上には、長い布が無造作に置かれていた。その隣には裁縫器具らしきものが複数台置かれている。
「ねぇあんたぁ。いつまでこの子たちに給料払い続ける気なのお?私たちの言うことなに一つ聞かないじゃないの。こんな子らにお金渡すくらいならうちを出入りしてる野良猫にビーフジャーキー入りの缶詰あげたほうがましよお」
女将らしい風格をした女がおっちゃんの陰から現れた。高級な服を身に纏っている様子から、ひと目みてここの上役だとわかった。化粧は荒く、ザリガニの甲羅を唇に擦り付けたような口紅は、人を寄せ付けない人柄であることも理解出来た。
「お前まだあの小汚いのに餌なんか分け与えとったんか?そんなことしとるからいつまでたってもコンロからガスがつかないんやで」
「うるさいわねえ。料理なんてしないんだからガスなんていらないわよ」
女将らしき女は顔を赤らめ関西弁を話すおっさんに嘆いている。ここでは恐らく女将の存在が絶対なのだろう、女将が鼻をムズムズさせてるのを察し、自らのティッシュを渡した。
「そこのシマシマの服着た子はいつまで寝てるつもりなのお?寝て生活費が貰えるなんていい身分になったものね!」
「おい。そこの若いの。おきんかね」
おっさんはシンジの顔を足先でツンツンした。
繋がる話(32)
ぴちゃん・・・・
上から滴る雫が顔に当たり、目が覚める・・・・
タカシ「ここは・・・・・・?」
隣には反応の示さないシンジ
しかし前と違うのは生気を帯びていることだ
安堵と共に辺り、そして先ほどの状況を整理した
タカシ「確かトイレみたいなのに落ちて流されて・・・赤いハゲに連れていかれて・・・」
はっ!
見上げると何やら排水管の先みたいなものが見える
タカシ「あそこから出てきたのか・・・?」
辺りは少し薄暗く肌寒いが、何やら機械音がする・・・
どうすればよいのか分からずその場に留まっていると遠くから聞きお覚えのある声がした
チッキメン「おーやっときよったなぁ~おそいで」
タカシ「あ・・・この声はチッキメ・・・・・・・・・」
現れたのはあの声だけ人間顔が鶏のあのチッキメンではなく普通の関西人のおっさんだった。
繋がる話(31)
ボコボコボコ…
(ここは…)
身体に纏わりついて離れないとても重くて身動きが取れない場所、ここは水の中。
大きな地響きとともに大量の水が上から降ってきたとこまでは覚えている。
(息が出来ない…そりゃそうだよなここは水んなかだ…)
タカシは朦朧とする意識の中で、あたりを見渡した。
繋がる話(30)
チッキメン「ナイスタイミングで中入ったのー」
上を覗くと大きいチッキメンが見下ろしていた
チッキメン「ほんとなら口から出てくる筈が下から出てきたのは意外やったけど、ここでなら本望やろー汚物どもー」
そういってチッキメンは隣にあったシルバーのレバーを引いた
タカシ「な、なんだ?」
少しの地響きと共に水が波をうって側面から流水が出てきた
タカシ「ま、まさか・・・やばい!」
逃げる隙もなくいきなり吸い込まれ下穴に巻き込まれていった
チッキメン「やー。ええタイミングやったねぇ。丁度あそこの中に着いたときに出てきてのう。」
?「あまり説明せずになんでもかんでもやっちゃ後で彼らにキレられるわよ?」
背後からきた声の高い、背は小さい女の子が呆れながら言った
?「あそこに落ちたから良かったものの早く出てきちゃったらあのなんとかっていう死んでた子は息を吹き返さなかったのよ?」
チッキメン「・・・・・・」
流されていく男二人をずっと見ながらチッキメンは鶏冠を撫でていた
繋がる話(29)
ヒューーーボッチャン!!
繋がる話(28)
騒がしく五月蝿いチッキメンの話が正直理解できなかったがとにかくこのモンスターはとある組織に属しているようだ。
いや、属していると言うよりは契約している。
そうなると気になるのはその組織だ。
恐らくあの紙コップから聞こえたロリータ声関係している所だろう
とにかくここをでなくては。
タカシ「なぁ、ここはどうやって出ればいいんだ?」
チッキメン「ΦδΟΔヮ≒∵≫∀!!」
・・・・・・
興奮してこっちの話を聞いていない
「自力で探すか・・・・」
さっきの話から察するに
ここは腹の中
残飯・・・光り・・・ウン・・・
ハッ
広い部屋の先にある細い道を進むと臭さが増してくる
タカシ「やっぱりここが・・・」
チッキメン「せやで。ここが出口や。自然の摂理やろ?口に入ったものが出てくるっていったらここやろぉ?」
鳥の穴から出る・・・・思っただけで背筋がゾクッとしてくる・・・
躊躇しているといきなりほっそい鳥の足が背中を蹴ってきた
チッキメン「とっとと行けこのウンコ野郎」
シュンッ
振り替えると鳥人間は肛門からではなくそのまま臓器の中に入り込み消えていった
繋がる話(27)
チッキメンは細長いくちばしをパクパクさせながら話し始めた。
「あんた、ここがなんで時間がおそうなっとるかわからんやろ。わからんやろうな、ここまでとぼけた顔しとるやつなんか全身毛剃られた野良猫かお前さんくらいだろうからな。ここの時間が遅くなってる仕組みはな、簡単な話や、ここがウンコ直前の場所だからや」
そういいながらチッキメンは奥の方にある紙袋を持ってきた。
「この紙袋にはな、ありとあらゆる残飯がはいっとる。そりゃ食べ残しなんかもありゃ鼻くそまで幅広くや。一ついうとくと、これはウンコやないで。あくまで残飯や。んでな、奥の方みてみ。光はなっとるとこあるやろ?」
タカシはぐいっと目を見拡げ光を探す。
「あの光んなかに残飯を投げ捨てると、ウンコになるっちゅう仕組みなんやけど、そこがポイントなんや。」
タカシはさっきからチッキメンが言うウンコという響きが身体に合わず、猛烈に吐き気をもよおしている。その傍ら楽しげに話すチッキメンに面目なく簡単に吐くことすら出来ず、青ざめた顔をしたタカシは無言で頷く。
「残飯を処理しとる間に身体は強烈なパワーを使っとるんや、そこがわいが見つけた穴なんや!”あいつら”がパワーをつこうてる間はこっちの空間はいわば無法地帯なんや!イリーガルや!そこに目を付けたわいは、とある組織を結託したんや。その結果がこれや!わかるやろ、おれの有能さをよ!!コーケコケコケコケ!!」
最初の落ち着いたチッキメンはそこにはいなかった。愚かさや惨めさや傲慢さを凝縮して、形にした物体がそこには在った。タカシは目の前の物体からなるべく遠ざかるために、チッキメンが驕り高ぶっているうちにいそいそとソファーの下に隠れた。
タカシ「やべえ。やべえよここ。。」
ソファーの隙間から見えるのは、シンジの横たわる姿だった。チッキメンはまだ自分の有能さにまるで鶏が鳴くかのごとく笑っていた。
繋がる話(26)
鳥人間「ここはワイの腹の中や。んで、ここにいる間は時間がゆっくり進んどる」
くちばしで普通には飲めないので特別なほりの深い容器でお茶を飲みながら続けていった
鳥人間「あのままならこの小僧は1時間も持たん。うちらの基地に着く頃にゃお陀仏や。せやからワイの腹の中で可能な限り侵食を遅くしとるんや。今はだいたい24分の1にしとる。」
信じられないことだが、目の前で起きている事態に信じる、信じないの問題ではない。受け入れることしかできなくなっていた。
普段のおちゃらけな自分とはうってかわって、友を助けることに集中していた。
タカシ「未だに信じられないけど、もう信じるしかない。この世界はあんたの腹の中の世界で、外は俺の知ってる世界じゃない」
病気?毒?呪い?
とにかく動かなくなった事実を何とかしなくてはならない
「あんたやない。ワイには立派な名前があるんや。そう。チッキメンという名前がな!」
そういって名目ともに鳥人間チッキメンは今の世界の話をし始めた
Contact
連絡は、こちらまで。
繋がる話(25)
凄まじい程の異臭がする…。
それにしてもここはなんなんだ。
シンジがそこにいるということは、
鳥人間の腹の中にいるということは間違いないはずだが、何かがおかしい。
地面にはカーペットが敷かれていて、その上には赤色のソファーがある。隣には机や本棚、さらに言えば加湿器もある。まるで誰かが住んでいるかのような”部屋”になっているのだ。
小さいの鳥人間は、奥の方にある冷蔵庫からジュースを持ってきて、飲めよと自分に差し出してくれた。
タカシ「こ、ここは、どこなんですか…?」
さっきまでの憤りを忘れ、この異世界に対しての動揺を隠せず、つい敬語になってしまう。
鳥人間「せやから、わいの腹ん中やろ。自分で勝手に入ってきといてよぉ言うわほんま」
こいつが言うのだから間違いなく腹の中なのだろうが、自分の目の前に広がる光景は明らかに部屋だ。誰か知らない人の家にあがった気分以外に表現が出来ない。
鳥人間「まあ、来たんやからしゃーないわ。まあ座れや」
おそるおそるカーペットを歩いて、赤いソファーの端の方に座った。赤色はとても鮮やかで、人間界では見たこともない美しい朱色をしていた。
タカシ「・・・あの、シンジのことなんですが・・・」
鳥人間「あぁ、こいつか?こいつならまだ生きてんで。というか、正確に言うんやったら”死んでるけど、生きてる”ていうたほうがええんかな」
タカシ「ど、どういうことですか・・・?」
全く理解できないことを平気な顔をして、しかも真面目なトーンで言ってくる。
タカシは納得するために質問攻めをする。
繋がる話(24)
「くっさ・・・うっ・・・・・」
繋がる話(23)
ゴックン。
鶏人間はまるで一匹の小魚を食すかのようにシンジを飲み込んだ。タカシはこの光景をすぐさま理解できず、ただ呆然とその場に立ち尽くしてしまった。
タカシ「・・・」
鳥人間「ったくよぉ。これだから人間は嫌なんだよなぁ」
鳥人間は背負っていたリュックから水筒らしきものを取り出し、喉を浄化するかのようにうがいをした。シンジよりも、自分の喉の方が大事だと言わんばかりに。
鳥人間「はーあ。これでお前も身軽だな」
タカシ「・・っざけんなよ・・・」
鳥人間「んあ?なんやて?」
タカシ「ざけんなよつってんだよてめえ!」
タカシは力強く握っていた拳を拡げ、鶏人間に跳びかかり、くちばしを掴んだ。重く長いくちばしはタカシによって大きく広げられ、タカシはこの鳥人間の口の中に自分の頭を入れた。
タカシ「シンジを返せ!」
鳥人間「お、おぉい、やみぇろぉ。。。!」
鳥人間はタカシがくちばしに頭をぶちこんでいるせいで上手く話せない。
鳥人間「おみゃえ、はりゃく、おりぇのくてぃからでていきぇ」
タカシは自分の身体を器用に变化させて、鳥人間の体内に入っていく。